電気が暮らしてる

2008/05
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大学のギャラリーT+で行なったインスタレーションの展示。

テキスト「電気が暮らしてる宣言」

現代において、空間を支配するものとはどんなものだろうと考えたことがある。僕は建築デザインを専攻しているので、どうしても設計者の側から空間を 考えてしまう。建築空間とは設計者の描いた平面図に描いてある壁やそこにあけられた開口部によってできあがっていると思っていた。

しかし、実際僕たちが暮らしている部屋の中では、建築の持つ平面や開口部はそれほどの意味をなさないでいるように思える。むしろ部屋の中で重要になってくるの は、机、椅子、テレビ、パソコン、棚、食器、調理器具‥数えればきりのない大量の生活器具である。それらの配置で僕たちの生活は規定される。ここでご飯を 食べる、ここで勉強をする、ここで寝る、行動を引き起こしているのは建築だけではないはずだ。

そして、生活器具の多くは電気によって統率される。コンセントからのびるコードに繋がれた家電たち。それぞれに与えられた機能を全うし続ける。空間が生活器具によって規定されるならば、生活器具の多くは電気(コンセント)によって規定されていると言える。

僕たちは大量の生活器具、つまり「もの」を携えて生きてきたはずだ。しかしそれは増えすぎた。使わないもの、捨てなきゃいけないもの、コントロールしきれな い大量の「もの」が生まれる。果たして生活している主体は本当に人間なのだろうか。反転していないか?もしかしたら「もの」が僕たち人間を携えているので はないか。僕たちが暮らしていると思っていた部屋で暮らしているのは、その中を高速で流れる電気だったりするのかもしれない。

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